食べ物の鮮度を保った状態で冷凍する方法として注目されているのが急速冷凍です。冷凍方法には急速冷凍と緩慢冷凍があり、2つの冷凍方法にはかなりの違いがあります。そこで、今回はそれぞれのメリットやデメリットを紹介します。また、大型急速冷蔵庫の種類や導入方法についても紹介しますので、ぜひ、参考にしてみてください。
急速冷凍と緩慢冷凍の基本的な違いとそのメリット
生鮮食品は、常温の状態で放置すると品質が劣化し、腐敗していきます。食品の劣化や腐敗を防ぐには、食品を冷凍保存するのが効果的です。冷凍には急速冷凍と緩慢冷凍の2種類があります。
急速冷凍は業務用の冷凍庫など大型の冷凍庫で多く見られる冷凍方式で、家庭用冷凍庫よりも早いスピードで食品を冷凍できます。一方、緩慢冷凍は家庭用冷凍庫などで多く使用されている冷凍方式で、比較的高い温度で冷凍するため、時間がかかってしまいます。
両者の違いはスピードの違いといってもよいでしょう。では、スピードの違いは何をもたらすのでしょうか。ひとことでいえば、食品の品質に大きな影響を与えます。品質を左右するのは「最大氷結晶生成温度帯」の通過速度です。
最大氷結晶生成温度帯とは、食品内部に大きな氷の粒(氷結晶)を作り出してしまう温度帯のことです。大きな氷の粒ができてしまうと、組織が壊れてしまったり、化学変化が起きやすくなったりといったデメリットがあります。
おいしくて高品質な状態で保存するには、最大氷結晶生成温度帯を可能な限り短時間で突破して、一気に食品の温度を下げる必要があります。急速冷凍を利用すると、短時間で食品を冷やせるため、最大氷結晶温度帯の滞在時間を大幅に短縮できます。
それにより、食品の品質を高い状態で維持できるのです。主なメリットは以下のとおりです。
・フードロスを減らせる
・品質を保持できる
・添加物を減らせる
これまで廃棄せざるをえなかったものも長期保存でき、フードロス改善に貢献できると期待されています。また、品質を高い状態で維持できるため、保存のための添加物の使用量を減らすことができます。
品質保持に効果的な方法ですが、一番のデメリットはコストの高さです。機器の大きさにもよりますが、メンテナンス込みで数百万円ほどの投資が必要となることもありますので、導入には慎重を要します。
大型急速冷凍機の種類と選び方のポイント
冷凍機の3つの種類と選び方のポイントをまとめます。主なタイプは以下の3つです。
・冷風による冷凍
・不凍液などの液体による冷凍
・液体窒素による冷凍
1つ目は冷風を使用する方法です。エアブラスト冷凍機とも呼ばれるタイプですが、一般の冷凍庫と同じように冷風をつかって急速冷凍します。一番の違いは冷風の温度です。一般の温度がマイナス18℃程であるのに対し、エアブラスト冷凍機はマイナス30〜40℃の冷風で冷凍します。
周りからまんべんなく冷風をあてられるため、むらをなくせます。比較的湿度の高い冷風をあてると、食品の乾燥を防ぎながら凍結させられます。2つ目はマイナス35℃程度まで冷やした不凍液に漬け込む方法です。液体は空気よりも熱伝導率が高いため、冷風よりも早く凍らせることができます。
速度が速いので品質を悪化させる最大氷結晶生成温度帯を短時間で突破でき、細胞破壊を最小限に止められます。冷凍のむらが発生しにくいというメリットもあります。3つ目は液体窒素を使用する方法です。
液体窒素はマイナス196℃という極低温の物質で、これを吹きかけることで急速冷凍します。3つのタイプのうち、どれを選ぶとよいのでしょうか。最も重視すべきポイントは、食品や用途に合ったものを選ぶことです。
冷風による方法は、幅広い食品の冷凍に向いています。形を崩さずに凍らせるため、菓子やケーキなども冷凍できるからです。液体による冷凍は素早く凍結させたい方に向いています。肉や魚など、鮮度の維持を優先するならこの方法が良いでしょう。
鮮度を維持するのであれば液体窒素による方法も早いですが、高コストであるため費用対効果を考えて使用するとよいでしょう。
大型急速冷凍機の導入方法とは
大型急速冷凍機は、導入コストが高いため導入に慎重になる方が少なくありません。導入に際しては、専門知識があるスタッフと入念に打ち合わせし、用途に応じた機器を導入する必要があります。
機種の評判や価格だけで購入する冷凍機を決めると、使用後に「こんなはずじゃなかった」と思ってしまう可能性があります。費用対効果や必要性などを慎重に考え、専門業者と打ち合わせしながら購入を検討しましょう。
価格面での比較をしたいのであれば複数の業者に見積もりを依頼する相見積もりが効果的です。見積りの際は、機器の価格だけではなくメンテナンスなどのアフターフォローについても専門業者に聞くとよいでしょう。
まとめ
今回は急速冷凍のメリットやデメリット、種類、選び方のポイントなどをまとめました。食品の鮮度を保ち、フードロスをなくせる急速冷凍は非常に優れた技術です。しかし、用途に合わせたものを購入しなければ、せっかくの投資が無駄になってしまうかもしれません。
導入する前に、専門業者としっかり打ち合わせをして使用目的に合った機器を導入するようにしましょう。
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プロトンエンジニアリング株式会社 /プロトン解凍機
引用元:https://proton-eng.co.jp/プロトンエンジニアリング株式会社の解凍機は、大量の食品を毎日処理する大型工場から、部分的な解凍を求める小・中型工場まで、様々なニーズに応えることができます。完全解凍から半解凍、小型標準機から大型機まで幅広く対応。特に解凍時間の速さは業界でも注目のポイントであり、ドラム缶や一斗缶、ペール缶など、多様な容器にも対応可能です。
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