おすすめの解凍機メーカー6選をご紹介します!
食品を扱う工場において欠かせない機器として、冷凍した食品を解凍する「解凍機」があります。また解凍機にも完全解凍・半解凍などの機能面や、大きさなどでもさまざまな種類がありますが、自社のニーズに合わせた解凍機を選ぶことが大切です。
また解凍機の導入を検討する際、解凍機を開発や販売しているメーカーの数も多く、それぞれ機器の特徴などもさまざまなので、
・どの解凍機を選べばいいの?
・どんな解凍方法があるの?
・なにを優先すればいいの?
といった疑問や課題が生まれると思います。
そこで当サイトでは、解凍機の導入を検討している方の疑問や課題解決に役立つ情報をまとめてご紹介しています。
機能や大きさなど、こだわりで選ぶおすすめの解凍機や、解凍機を導入するうえで知っておきたい情報のほか、WEBアンケートを実施して実際に解凍機を導入した方の口コミや評判についてもまとめてご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。そして工場の生産率や稼働率を上げるような解凍機をゲットしましょう。
おすすめの解凍機メーカー比較表
イメージ | 引用元:https://proton-eng.co.jp/ | 引用元:https://www.depak.jp/ | 引用元:https://foodtechno-eng.co.jp/ | 引用元:http://www.shinsei.co.jp/product/melts.html | 引用元:https://www.fujigiken.net/ | 引用元:https://www.meiji-kikai.co.jp/microwave/ |
会社名 | プロトンエンジニアリング | サンテツ | フードテクノ | 新星冷蔵 | フジ技研 | 明治機械 |
解凍種別 | 低温高湿度100% プロトン解凍 | DEPAK解凍 | 凝縮潜熱を利用した解凍 | 記載なし | 低温高湿ミストシステム | マイクロ波解凍 |
システム規模 | 標準機:40kg、160kg 現場据付型:500kg~大型個別設計 | ~192kg | 記載なし | 100㎏〜10,000㎏ | ~10,000kg 小型~大型まで対応 | 20kg~3000kg |
強み・特徴 | 穴あきコンテナ、一斗缶・ペール缶 ドラム缶も対応 2kg鶏肉を3時間で完全解凍! 半解凍・完全解凍両方に対応! 解凍中は常に湿度100%を維持 (特許技術) 庫内がシンプル構造なので清掃が簡単 個別設計/既設改修提案 「完全解凍~半解凍、小型標準機~大型まで」お客様のニーズに合わせて対応 | 解凍時の歩留まりが最大5%改善!解凍ムラが少ない! 解凍後、鮮度保持に自動的に切り替わる 冷蔵庫解凍の半分の時間で解凍が可能で、操作も簡単 庫内温度のコントロールと食材に均一に風を当てる技術により、冷凍食材をムラなく高品質に解凍 | シンプル構造で衛生環境が高い状態を維持できる!タッチパネル操作が可能! 多様な解凍パターンを用意 +10℃以下での温度管理で製品焼け、変色を最小限に。 製品の用途、解凍温度などの設定条件は将来的な変化も考え、多様な解凍パターンが設定可能 | ドリップ、目減り、変色といった問題が解決されている!タイプも豊富! 品質を重視した最新プログラムを搭載 オートマチックの夜間解凍が大変便利。解凍時間が5~8時間と短いので1日に2~3回の利用が可能 冷凍品の中芯温度をマイナス3℃、表面温度を0℃くらいに解凍された解凍品を、表面だけ冷却により締めつける方式 | 低温高湿ミストシステム」という画期的なシステムを採用!いくつかのタイプが存在! 高出力紫外線殺菌ランプを採用し、バクテリア・カビ・ウイルスを殺菌。 ランニングコストは流水解凍の約1/8 | 1時間当たりの最大解凍能力は驚きの15.4t!短時間での解凍が可能! 従来、長時間人がはりついていた解凍作業時間を大幅に短縮でき、人件費削減に貢献 マイクロ波解凍機は、923MHzの周波数により熱効率がよく圧倒的なパワーをご提供 |
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解凍機メーカーおすすめ6選!
プロトンエンジニアリング株式会社 /プロトン解凍機
おすすめポイント
ポイント1 | 一斗缶、ペール缶。ドラム缶が1晩で解凍。鶏肉は3時間で完全解凍! |
ポイント2 | 穴あきコンテナに風を通すことで均一解凍。専用台車不要 |
ポイント3 | 解凍プログラムで表面温度と中心温度をコントロール。冷蔵機能を搭載。 |
特許技術!庫内湿度100% 低温高湿度解凍
プロトン解凍機は、業界NO.1の解凍スピードを誇ります。庫内湿度を100%に保ち、解凍時間が大幅に短縮されるため、鶏肉2kgをわずか3時間で完全解凍することを可能にしました。
また、表面温度を上げずに低温解凍ができるので、品質を保ちながらムラなく均一に解凍できます。解凍後は冷蔵庫としても使用でき、既存の穴あきコンテナーもそのまま使える点も、利便性の一助となるでしょう。
また、解凍の程度は完全解凍だけでなく、半解凍程度でよいという場合もありますが、こちらの製品はいずれも対応しています。
基本情報
解凍種別 | 完全解凍と半解凍にも対応。 |
特徴 | ・40㎏/1バッチの小型機から数トン以上の大型機まで対応 ・樹脂コンテナでコストダウン。洗浄機にも投入可能。更に製品により専用台車をご提案 ・相対湿度100%のため200㎏を超えるドラム缶・16㎏超の一斗缶・ペール缶も対応可能 ・輸送コンテナ仕様もご提案 |
解凍方法の種類 | 低温高湿度解凍 |
システム管理方法 | ・-5℃保管で連休対応 ・冷蔵庫として使用可能 ・荷姿が段ボールの半解凍も可能 ・解凍食材に合わせ、プログラムを調整し表面温度が上昇しすぎないよう自動調整が可能 |
衛生管理方法 | 自動洗浄機による洗浄 |
得意とする分野 | 完全解凍・半解凍 |
問い合わせ方法 | 電話、メールフォーム |
会社情報 | プロトンエンジニアリング株式会社 東京都品川区南大井二丁目7-9 アミューズKobayashiビル 3階 |
納入事例
-
高級食材加工引用元:https://proton-eng.co.jp/works/defrost/20210207-811/解凍素材和惣菜目的生産性処理量解凍機に冷却機能を搭載 500kg/B (40kg/h:差圧冷却)ポイント・「解凍機を冷却機としても使いたい」と要望を受け、冷却機の機能も設定
・解凍時間を24時間→3時間程に短縮 -
食品会社引用元:https://proton-eng.co.jp/works/defrost/20220314101752-1328/解凍素材豚肉原料目的品質処理量1t/Bポイント・水解凍のドリップを10%以上→3%まで改善
・試験検査の結果、タンパク質の残量が14%アップ -
果実ソース製造メーカー引用元:https://proton-eng.co.jp/works/defrost/20210207-806/解凍素材果実ソース目的生産性処理量4t/Bポイント・どこでも設置可能
・ペール缶の解凍も可能
株式会社サンテツ技研 /DEPAK解凍機
おすすめポイント
ポイント1 | 均一に解凍可能 |
ポイント2 | 操作性がよい |
ポイント3 | 汚れにくく洗いやすい |
解凍時の歩留まりが最大5%改善!解凍ムラが少ない!
株式会社サンテツ技研の解凍機には、DEPAKという独自技術が使われています。この技術によって、細胞のひとつひとつを均等に解凍でき、細胞組織が壊れるのを防げることで解凍時のドリップを抑えることが可能です。
解凍時間の短縮にもつながり、一般的な冷蔵庫解凍と比較すると作業時間が14時間短縮したというケースもあります。
基本情報
解凍種別 | 完全解凍 |
特徴 | ・工事不要 ・ラインナップも豊富 ・既設の冷蔵庫に設置可能 ・キャスター付きで移動可能 |
解凍方法の種類 | DEPAK解凍 |
システム管理方法 | 解凍後、鮮度保持に自動的に切り替わる |
衛生管理方法 | 手動洗浄 |
得意とする分野 | 半解凍 |
問い合わせ方法 | 電話、メールフォーム |
会社情報 | 株式会社サンテツ技研 神戸市中央区海岸通5番地(商船三井ビル7F) |
納入事例
フードテクノエンジニアリング株式会社 /サイドサテライトシステム解凍庫
おすすめポイント
ポイント1 | ワンストップサービス |
ポイント2 | さまざまな分野での納入実績を持つ |
ポイント3 | お客様ファーストを掲げる |
シンプル構造で衛生環境が高い状態を維持できる!タッチパネル操作が可能!
フードテクノエンジニアリング株式会社の解凍機は、風量コントロールや正逆運転によって、循環ファンが解凍ムラを抑えてくれるという強みがあります。+10度以下での温度管理により、製品焼けや変色が抑えられるのも特徴です。
凝縮潜熱を利用した解凍方式となっているため、表面と中心の温度差が少なく、ドリップまで抑えられます。
基本情報
解凍種別 | 完全解凍 |
特徴 | ・ドリップを抑えて食品の品質を保持 ・シンプル構造で高い衛生環境を維持 ・タッチパネル操作等採用で機能性を向上 |
解凍方法の種類 | 凝縮潜熱を利用した解凍方式 |
システム管理方法 | 多様な解凍パターンを用意 |
衛生管理方法 | 自動洗浄機能搭載 |
得意とする分野 | 完全解凍 |
問い合わせ方法 | 電話、メールフォーム |
会社情報 | フードテクノエンジニアリング株式会社 大阪府大阪市西淀川区佃 5丁目9番5号 |
納入事例
新星冷蔵工業株式会社 /解凍プラント淡雪シリーズ
おすすめポイント
ポイント1 | 豊富なタイプがある |
ポイント2 | 自動の夜間解凍機能を持つ |
ポイント3 | 多量の解凍を短時間で行える |
ドリップ、目減り、変色といった問題が解決されている!タイプも豊富!
新星冷蔵工業株式会社の解凍機・解凍プラントは、ドリップや目減り、変色といった、従来の解凍で問題とされてきた部分が解決できるようになっています。種類の幅も広く、コンパクトなタイプから大型なタイプまで、10タイプが存在します。
2種類の二次冷媒を活用し、解凍から保管まで自動的に行えるようになっているのも便利なポイントです。
基本情報
解凍種別 | 完全解凍 |
特徴 | ・多量冷凍肉、冷凍魚介類をはじめとした各種冷凍品の品質を保持しながら短時間に解凍 ・解凍後、低温にて雑菌などを無繁殖状態のまま、長期保存が可能 |
解凍方法の種類 | 記載なし |
システム管理方法 | 2種類の二次冷媒により解凍から保管まで自動で行える |
衛生管理方法 | 二次冷媒を使用しているので霜が付かない |
得意とする分野 | 完全解凍 |
問い合わせ方法 | メールフォーム |
会社情報 | 新星冷蔵工業株式会社 東京都品川区東中延2-8-10 マツダビル1F |
フジ技研工業株式会社 /解凍マイスター
おすすめポイント
ポイント1 | ハイクオリティの製品を開発 |
ポイント2 | 衛生面が高水準 |
ポイント3 | 画期的な解凍システムを採用 |
「低温高湿ミストシステム」という画期的なシステムを採用!いくつかのタイプが存在!
フジ技研工業株式会社は、1986年の設立以来、独自の視点からオリジナリティあふれる製品を開発し続けている会社です。全国各地の大手企業が採用している解凍機である「解凍マイスター」を開発した実績を持っています。
解凍マイスターには低温高湿ミストシステムという画期的な解凍システムが使われており、品質最優先での解凍が実現します。
基本情報
解凍種別 | 完全解凍 |
特徴 | ・品質を最重視した最新プログラム ・直感的な操作で、熟練性が不要 ・高出力紫外線殺菌装置による微生物の制御 ・データ化が簡単で記録が保存可能 ・ランニングコストは水解凍の約1/8 |
解凍方法の種類 | 低温高湿ミストシステム |
システム管理方法 | 品質を重視した最新プログラムを搭載 |
衛生管理方法 | 超高出力紫外線殺菌ランプを採用 |
得意とする分野 | 完全解凍 |
問い合わせ方法 | 電話、メールフォーム |
会社情報 | フジ技研工業株式会社 宮城県宮城郡利府町中央3丁目5-1 |
納入事例
明治機械株式会社/マイクロ波解凍機 MIP型
おすすめポイント
ポイント1 | 大量の解凍に対応 |
ポイント2 | 世界最速クラスの解凍速度 |
ポイント3 | マイクロ波解凍を採用 |
1時間当たりの最大解凍能力は驚きの15.4t!短時間での解凍が可能!
明治機械株式会社の解凍機は、1時間当たりの最大解凍能力がなんと15.4tという驚異的な数字となっており、大量の解凍を素早く行いたい場合は導入を検討するのがおすすめです。
解凍速度に関しても優れていて、世界最速クラスのスピードを誇ります。解凍方式はマイクロ波解凍が採用されているので、ドリップがほとんど発生しません。
基本情報
解凍種別 | 完全解凍 |
特徴 | ・1時間当たりの最大解凍能力15.4t ・ドリップが少なく美味しさを逃がさない ・作業時間を短縮しコスト削減に貢献 |
解凍方法の種類 | マイクロ波解凍 |
システム管理方法 | 記載なし |
衛生管理方法 | 庫内の水洗い可能 |
得意とする分野 | 半解凍 |
問い合わせ方法 | 電話、メールフォーム |
会社情報 | 明治機械株式会社 東京都千代田区神田司町2-8-1(PMO神田司町9F) |
【その他】解凍機メーカーをご紹介
解凍のキホン:良い解凍とは?
解凍機について調べる前にまず知っておきたいのが、完全解凍と半解凍の違いやそれぞれのニーズについてです。食品工場の製造工程は、品質と安全性を確保しながら効率的に食品を生産するために重要です。ここでは完全解凍と半解凍それぞれの特徴や、冷凍機の大きさごとの違いについて詳しく解説するのでぜひチェックしてみてください。
良い解凍とは
良い解凍とは、食品をできるだけ凍結直前の状態に近いように復元することを指します。食品の品質を保ちながら解凍するためには、いくつかのポイントに留意する必要があります。
まず、解凍時には食品内部での解凍ムラが生じず、品質の一貫性を保つため、全体が均一に解凍されるように注意しなければなりません。次に、解凍中に食品の風味や色味、栄養成分などの変化を最小限に抑えることが重要です。
とくに生鮮品の冷凍食品では、高温で短時間解凍するとドリップが発生しやすくなるため、できるだけドリップの流出を抑える必要があります。また、解凍後の品温を0℃〜5℃にとどめ、微生物や酵素の活動を最小限に抑え、食品の安全性を確保しましょう。
食解凍から加熱、そして調理に至るまでの工程は、品の風味と栄養価を最大限に保ちながら、時間効率も考慮したものでなければなりません。
また、解凍中の食品は、乾燥や目減りを防ぎつつ、衛生的な状態を維持することが重要です。これにより、安全で美味しい食品をお客様に提供することが可能となります。このような厳格な品質管理のもとで処理されていることで、お客様に自信を持って食品をお勧めする事が出来ます。
冷凍食品の保存基準
冷凍食品の保存基準は、食品衛生法によって定められています。
微生物の繁殖が起こらないー15℃であれば、食品衛生上の問題は発生しないと判断されていますが、昭和46年には冷凍食品関連産業協力委員会により冷凍食品の自主的取扱基準が作成されました。自主的取扱基準によれば、冷凍食品は各段階でー18℃以下を保持することが定められています。
完全解凍・半解凍のちがい
完全解凍と半解凍の違いを、それぞれを詳しく見ていきましょう。
半解凍とは
半解凍とは、食品を完全には解凍せずに、凍結点(-2℃〜-4℃)を超えない状態にする解凍方法を指します。
凍結点とは、物質に含まれる水が凍り始める温度です。一般的に、魚の切り身や牛丼の肉などは半解凍処理してカットやスライスなどが行われます。完全に解凍するとスライスが難しくなるため、半解凍状態で工程に移ることで、仕上がりが向上し、切断かすが減少するメリットがあります。
また、半解凍では、凍結点を超えていないためドリップが出ず、菌の増殖も抑えられます。食品の鮮度や品質を維持しやすくなるでしょう。
しかし、半解凍にはマイナスの冷蔵庫で一昼夜近くの時間が必要です。また、大きなブロック肉などの場合、時間がかかるため半解凍冷蔵庫のスペースが必要になります。
完全解凍とは
完全解凍は、食品の温度を昇温させて凍結点(-2℃〜-4℃)を超える解凍方法を指します。自然解凍や冷蔵庫解凍、水解凍などが一般的な手法です。
自然解凍は常温〜中温度空調室で解凍する方法です。季節や風の当たり具合によって解凍時間が異なり、解凍ムラが生じやすいデメリットがあります。
冷蔵庫解凍では、解凍に数時間から24時間かかるケースが多く、ブロック肉など大きなサイズの食品では時間と解凍冷蔵庫のスペースが必要です。
一方、水解凍は水を流しながら解凍し、解凍時間が早くドリップが少ない特徴があります。ただし、季節によって解凍時間が異なるほか、排水処理設備の負担が大きく、風味や栄養素が流れてしまう可能性も少なくありません。
解凍機に求められる条件とは
調理冷凍食品や冷凍野菜類の急速解凍にはさまざまな解凍機器が使われますが、急速解凍機には次のような条件が求められます。
まず、食品が均一に解凍されることが重要です。解凍中に局部的な解凍が進むと、食品の品質が不均一になります。温度管理が確実にできるのはもちろん、解凍時の表面温度管理や解凍後の冷蔵保管が可能でなければなりません。
さらに、自動化や省力化ができることも求められます。自動化された機器は効率的に作業を行い、人的負担を減らす効果が期待できます。最後に、短時間かつ大量の食品を処理できることが重要です。食品工場などでは、多くの食品を短時間で解凍する必要があるため、解凍機の処理能力が高いことが求められます。
- 「良い解凍」とは、食品をできるだけ凍結直前の状態に近いように復元すること
- 「半解凍」とは、冷凍食品を完全に解凍せず、凍結点(-2℃〜-4℃)を超えない状態にする解凍方法
- 「完全解凍」とは、食品の温度を昇温させて凍結点(-2℃〜-4℃)を超える解凍方法
解凍機導入のきっかけ
解凍機の導入は、業界や解凍する食品などによって異なります。
それぞれのきっかけを詳しく見ていきましょう。
飲料業界
飲料業界では、ドラム缶や一斗缶、ペール缶に入った濃縮果汁やコーヒーエキス、コーヒーフレーバーなどの冷凍原料を屋外や冷蔵庫で解凍していますが、これには多くの時間と労力がかかります。冷凍された原料を効率的に、そして均一に解凍することで、最終製品の味と香りを最大限に引き出すことが可能です。
解凍機を導入する事で安心・安全が担保され、在庫を抱える時間とスペースが減り生産性が向上するでしょう。
弁当惣菜業界
惣菜工場、およびセントラルキッチンなどの施設では、弁当や惣菜の製造における食材の解凍プロセスは、日々の業務において重要な役割を果たしています。多くの施設で、冷蔵庫や廊下通路を利用した解凍が行われている現状がありますが、これらの方法では食品衛生を維持することが難しいという課題があります。
解凍作業は、清潔な環境で行われるべきですが、冷蔵庫や廊下は他の人や物との接触が避けられず、理想的な衛生管理を実現することに限界があります。このような状況は、食品の品質や安全性に直結する問題です。そのため、自然解凍をやめて解凍機導入が求められます。
畜肉業界
畜肉業界において、冷凍原料のパッケージに穴や切れ目(ピンホール)があると、水が浸入し、食品衛生に懸念が生じます。品質を保つためには、この問題を解決する必要があります。
さらに、畜肉業界における肉体的負担と休日出勤の問題は、業界全体に影響を及ぼしています。水解凍のような従来の解凍方法は、作業員が重い肉の塊を持ち上げたり、長時間にわたって水に触れたりする必要があるため、肉体的なストレスが大きくなります。また、解凍プロセスが時間を要するため、作業員は休日出勤を余儀なくされることがあります。
これらの問題は、作業員の健康と安全に関わるだけでなく、労働環境の質にも影響を与え、結果として人材の流出や労働力不足を引き起こす可能性があります。さらに、休日出勤は作業員のワークライフバランスを損ない、仕事の満足度や生産性にも悪影響を及ぼすことが知られています。
このような背景から、畜肉業界では、より効率的で作業員の負担を軽減する解凍方法の導入が求められています。解凍機の使用は、これらの課題に対する有効な解決策となり得るため、業界内での検討が進んでいます。
既存解凍に不満
現在、多くの食品工場で使用されている解凍機には、いくつかの問題点が存在します。解凍時間が遅いことや、解凍ムラが発生することは、特に大量の食材を扱う大型食品工場において、生産性の低下を招く大きな要因となっています。
多くの工場で採用されている水解凍は、大量の水を使用し、長時間にわたる作業が必要です。これにより、作業員の肉体的負担が増大し、水の使用によるコストもかさみます。
自然解凍や冷蔵庫での自然解凍は時間がかかりすぎる上に、温度管理が難しく、食材によっては解凍ムラが発生することがあります。マイクロ波解凍では、マイクロ波を使用した解凍は速いですが、食材によっては熱が均一に伝わらず、部分的に加熱されてしまうことがあります。
- 解凍機を導入する事で解凍時間が短縮され生産性が向上する。
- 休日出勤・残業が減る。
- 重いものを持つことが減り作業負荷が軽減される。
従来の解凍方法の実情
従来の解凍方法は
従来の解凍方法として、自然解凍・冷蔵庫解凍・水解凍が挙げられます。
自然解凍は食品を室温に置いて解凍する方法、冷蔵庫解凍は食品を冷蔵庫内で徐々に解凍する方法、水解凍は、水槽に水を張りそこに浸して解凍する方法です。
「解凍」と「冷凍」は対をなし、凍った状態から食品を元の食べやすい状態に戻す必要な作業です。
食品の品質や安全性を保つためには、適切な解凍方法と温度管理が欠かせません。
自然解凍、冷蔵庫解凍する場合
「自然解凍」に比べ、「冷蔵庫解凍」は、食品をゆっくりと解凍するため、生ものなど品質管理が難しい食品に適しています。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
解凍の温度帯について
自然解凍や冷蔵庫解凍では、明確な解凍温度の基準はありません。しかし、常温室、温度が10℃から25℃の中温空調室、温度が0℃から5℃の冷蔵庫の3つが多く見受けられます。
一般的には30℃〜60℃の間が危険温度帯です。食品に付着した細菌が危険温度帯に置かれると、細菌は急速に増殖します。また、表面温度を10℃以下に管理するのが一般的です。
荷姿について
段ボール積載やドラム缶、一斗缶、ペール缶などの荷姿をパレットに積み込んだ後、開梱室にて段ボールを取り出して棚やコンテナに積み直します。
メリット
自然解凍と冷蔵庫解凍の場合、イニシャルコストとランニングコストが最小限に抑えられるというメリットがあります。
自然解凍では、追加の電力や機器が必要なく、室温で食品を解凍するために追加の設備費がかかりません。冷蔵庫解凍も同様に、普段使用している冷蔵庫を使用するための追加の費用が発生せず、冷蔵庫の電力消費も比較的少ないため、継続的にかかる費用を抑えられます。
また、冷蔵庫での解凍は食品の品質を保ちやすいのが特徴です。
デメリット
自然解凍・冷蔵解凍とも、解凍時間が遅く不安定というデメリットがあります。季節や室温によって解凍時間が変わるため、とくに冬季など低温の時期には解凍に時間がかかり、管理が難しくなるでしょう。
また、空調や送風機の風が当たらない場所や、食材の厚みによって解凍速度が異なるため、品質が不均一になるおそれがあります。とくに自然解凍では表面温度の管理が出来ず、食品の品質や風味が損なわれるリスクが高まります。
水解凍する場合
水解凍は、主に樹脂の容器に井戸水や上水を張り解凍する方法です。具体的には、水をホースで流しっぱなしにしたり、溜め水しエアーで撹拌したりする方法など、さまざまな水解凍方法があります。
なかでも、井戸水の水温は年間を通じて比較的低く、安定しているのが特徴です。しかし、環境によっては受水槽から高温の水が供給されることもあり、食材への影響が大きくなります。水温の不安定さによって季節の解凍条件が変化するため、工場運営上の管理が難しくなるでしょう。
メリット
水解凍する場合のメリットは、イニシャルコストとランニングコストが最小限に抑えられる点です。特に井戸水の場合は費用がかからない為、これを利用する工場も多くあります。
また、水解凍の手順は比較的シンプルで、特別な設備や機器が必要ないため、設備投資や運用コストを抑えられます。
デメリット
水解凍のデメリットは、水温管理の難しさです。季節や環境によって水温が変化しやすいため、解凍条件を一定に保てないだけでなく、解凍後に冷やし込みが行えないため、食品の品質を保つのが難しくなるでしょう。また、パック品ではピンホールから水が浸入する可能性や水解凍によって空気層のあるパック品が浮いてしまうリスクがあります。
ほかにも、水解凍は表面の熱伝達率が高いため、解凍速度が早いのですが、製品を良いタイミングで取り出すのは難しいというデメリットもあります。
水槽内の水温をコントロールするシステムはなく、樹脂の容器に対象解凍品を投入し、速く溶けて表面温度が上がったまま解凍品を長時間放置することでドリップの増加につながるでしょう。
- 「自然解凍や冷蔵庫解凍」は、コストを抑えることができるが、解凍には時間がかかり、解凍ムラが多い
- 「水解凍」は、コストを抑えることができるが、表面温度管理がむずかしい
解凍システムの種類と特徴
前項でも簡単にご紹介しましたが、解凍機の解凍方法は各メーカーや製品によって大きく異なります。ここでは代表的な解凍方法の種類とそれぞれの特徴をご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
マイクロ波解凍とは?特徴は?
マイクロ波解凍とは、2450MHzもしくは915MHzなど周波数が高いマイクロ波を利用して食品を解凍する方法です。マイクロ波は電子レンジと同じで水に対しての発熱性が非常に高いという特徴を持っています。
具体的にはマイクロ波が食品内部の水分子を振動させて内側から加熱する方法で、製品の一部で解凍が進み氷が解けるとそこに集中加熱し過加熱状態になるという特性もあります。また真空によって表面の氷や霜が一気に気化して表面を冷やすことを繰り返し、表面と中心温度の差を小さくして食品の品質を守ってくれるのもマイクロ波解凍の大きなポイントです。内部からの加熱は解凍速度が速く、大きな食品でも均一に解凍できるというメリットがありますが、厚みがありすぎると中心部まで電磁波が届きにくく解凍にムラができることもあります。
冷凍マグロやカツオなど、身の厚い魚を刺し身にする際にもマイクロ波解凍は活用されており、食肉店や鮮魚店、スーパー(食肉店や鮮魚店)などの小売店でも導入が進んでいます。じつはマイクロ波解凍された食材を口にしている方も少なくありません。
水解凍とは?特徴とは?
水解凍とは、大きな水槽に水を入れ、その中に食品を浸して水を流しながら解凍する方法です。水解凍を行うと、水は熱伝達率が高く、食品の解凍が迅速に行われるのが特徴です。
そんな水解凍には、いくつかの注意点があります。まず、真空パックなど食品を密閉されたパックに入れる事が大切です。パック内に空気が残っていると、水と接しにくなり熱が上手く伝わりません。パックで包装された食品に空気層があるとパック品が浮いてしまい解凍しずらくなるため、注意が必要です。
そして、主に井水・上水(特に、上水は温度が季節に左右され水温が高い場合が多く)を使用する水解凍は、酵素反応が活発になりやすく、表面温度が成り行きになりやすいという点です。
一般的に微生物は、温度が下がるにつれて活動が鈍くなり、増殖がしにくくなります。これは、微生物の酵素活性(生体が物質を変化させて利用するのに欠かせない酵素が働きやすい環境〉が下がる為です。つまり、熱媒体となる空気や水の温度は可能な限り低温が望ましいのです。
また、水解凍では、長時間漬け込みがちになる為、ドリップも出やすく食品の品質が損なわれてしまうため、その点は注意が必要です。
高周波解凍とは?特徴は?
高周波解凍は1~3MHzという高域周波数の電磁波を活用し、冷凍品を加熱して解凍する方法です。詳しい仕組みとしては、高周波によって生じる磁界作用が食品の内部に非常に強い電子運動を引き起こして熱を発生させ、内部から解凍を行っていくというものです。
表面を溶かさない方法であるため、品質を下げたり旨味を逃す可能性が低く、食品の厚みやサイズに左右されず均一に熱を伝えられるというメリットがあります。また短時間での解凍が可能であるため、解凍が完了した後でも旨味や食品の鮮度を損なわないというのも高周波解凍の強みです。さらに生鮮食品を解凍する際にはドリップが流出しないので、食肉や鮮魚の加工工場やスーパーなどでも広く利用されています。
ただし高周波解凍は設備自体が高額であるというデメリットもあります。エネルギー効率がいいためランニングコストを抑えることはできますが、初期の投資が高額になってしまうので予算との兼ね合いで購入に踏み切れない方もいるでしょう。
また高周波解凍機には食材の形状に限りがあるのもデメリットで、解凍する場合は円柱などの形状が最適であり角状の食材には不向きとなっています。またバッチ式のような大量解凍ができないので、大量解凍が必要な現場はほかの解凍機を検討したほうがいいでしょう。
低温高湿度解凍とは?特徴は?
低温高湿度解凍は、庫内において低温で湿度の高い蒸気が水へ凝縮する際に生じる潜熱を活用して食品を解凍する方法です。蓄熱とは、物質が固体から液体、液体から気体などに変化する際に必要な熱エネルギーのことで、相対湿度が100%近い水蒸気が水に変化する際の蓄熱は氷が水に溶ける際に放出される熱よりも大きいとされています。
それに加えて水蒸気の温度を30度~40度の一定に保つことができるので、食品を解凍する場合に課題となるムラを解決してくれます。このような特徴から食材を選ばない低温高湿度解凍は、生鮮食品などはもちろん調理済みの弁当や惣菜、ケーキなどの菓子類まで幅広く解凍できるので、さまざまな食品加工現場で導入されています。
さらに解凍時には排水が発生しにくいため処理の手間も省くことができ、誰でも扱いやすいというメリットもあります。設置するためにはやや広めのスペースが必要であったり、導入時の設備投資は高めになってしまったりというデメリットもありますが、ランニングコストの低さは抜群なので、総合的に見て非常に導入へのメリットが大きいといえます。
おすすめの解凍方法は「低温高湿度解凍」!
さまざまな解凍方法をご紹介しましたが、この記事でおすすめしたいのは低温高湿度解凍です。短時間で均一に解凍ができ、食材を選ばないので食品加工などを行う現場なら幅広く導入することができるからです。またランニングコストが低く長い目で見てもメリットが大きいので、ぜひ低温高湿度解凍の解凍機の導入を検討してみてください。
- 解凍方法には、マイクロ波解凍、水解凍、高周波解凍、低温高湿度解凍などの種類がある
- どんな食品でもムラなく解凍できる「低温高湿度解凍」がおすすめ
低温高湿度解凍のメリット
低温高湿度解凍がおすすめであることは前述の通りですが、ここではより詳しく低温高湿度解凍のメリットをご紹介します。ぜひチェックして、低温高湿度解凍について理解を深めていきましょう。
低温解凍でも早い
湿度が高いほど、熱伝達率が向上し、低温環境でも迅速な解凍が可能です。従来の低温高湿度解凍では湿度は90%が限界でしたが、中には**湿度100%**での解凍が可能な解凍機もあります。低温高湿度の蒸気を循環させることで、食品を効率的に解凍できるのです。
冷蔵庫で解凍すると2週間かかる食品も、解凍機を使用する事で一晩での解凍が完了します。これにより、時間と電力の大幅な節約も可能になります。
さらに、低温解凍装置は衛生面でも優れています。生食などの未加熱品アイテムに対しても、安全に使用することができるのです。
中には、フィルターを通して運転するため、衛生的に解凍を行える機械もあります。そのため、衛生環境を保ちながら効率的に食品の解凍が可能になります。
スピーディーにムラなく均一に解凍できる
低温高湿度解凍は温度の高い蒸気が水へ凝縮する際に生じる潜熱を活用して解凍する特殊な技術で、スピーディーな解凍ができるというのも大きなメリットです。解凍時間が短く短縮されることでドリップの発生も抑制でき、高い品質を保つことが可能となります。
一般的には庫内湿度90%程度でファンで食品を一定方向にて当てることが多いですが、中には普段工場などで使用している既存コンテナーを使用でき、庫内湿度を100%維持しながら風をコンテナー内に均一に通すことで、低温で尚且つスピーディーな解凍できる解凍機も存在しています。低温高湿度解凍では乾燥も抑制できる点もメリットです。
とくに畜肉や魚介類といった解凍には高い効果を発揮してくれるため、食材の品質にこだわる現場では特に満足されています。スピーディーな解凍は、人的コストへの削減につながるケースもあるので、導入を考えておられる方はぜひ低温恒湿解凍機を検討してみてください。
冷蔵機能を搭載、表面温度をコントロールできる
低温高湿度解凍は、低温で解凍ができるのも特徴の一つです。解凍後の食材の表面温度を抑える事で微生物や酵素の活動を最小限に抑えられます。
低温高湿度の環境下で解凍すると、食材の乾燥や変色、ドリップの発生が抑えられます。ドリップには、うま味成分や栄養分も含まれていますが、実は細菌も繁殖しやすいのです。そのため、解凍後の品質を維持しながら、微生物の繁殖を防ぐなど、表面温度をコントロールできる低温高湿度解凍機を活用することで、食品の安全性を高められるでしょう。
風量や風速を調整することで、食材全体が均一に解凍される為、品質を維持しながら効果的にスピード解凍ができます。
中にはPID制御で緻密に温度をコントロールし効率的な低温解凍を可能とする解凍機も存在するようです。低温高湿度解凍装置には冷蔵機能を搭載している解凍機もあります。
冷蔵機能を搭載していると解凍後の高い表面温度をグッと下げることで食品の品質劣化を防ぎます。
そしてそのまま冷蔵庫として利用できるのも利点です。
これまで一般的には、解凍終了後、冷蔵庫に移動させなければいけませんでした。その際重い肉のカートなどの運搬は作業員にとっても肉体的負担となっていましたが、低温高湿度解凍の場合は、冷蔵庫として仕様出来るため、その作業もしっかり省くことができます。
低温高湿度解凍機を提供している企業の中には、顧客のニーズに応じて解凍機をカスタマイズできる企業もあります。既存解凍庫の改修、限られたスペースへの解凍機設置、既存設備の転用など、解凍機設置費用も含め、解凍機導入に関する不安がある場合、先ずは相談することをおすすめします。
冷蔵機能を保有していることにより、表面温度を上げずに衛生的かつドリップの現象につながると思います。
- 低温高湿度解凍はドリップの発生を防ぐことができ、微生物増殖の予防にも繋がる
- 低温高湿度解凍に必要なのは加湿用の水道代と電力代のみなのでランニングコストが安い
解凍機を選ぶ際のポイント
工場での解凍にかかる人的なコスト、そしてさまざまな課題を解決するためにも、解凍機は自社のニーズに合わせたものを選ぶ必要があります。ここでは解凍機を選ぶ際にチェックしたいポイントをご紹介するので、解凍機選びに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
解凍方法の種類
解凍方法は各メーカーの解凍機ごとにさまざまであり、特徴も異なるのでしっかりと比較検討したい部分です。たとえば解凍庫内の温度をコントロールするとともに、食材に風を当てることでムラなく解凍できるタイプや、食材を入れた庫内を真空にして均一に解凍する方法などがあります。
ほかにも低温の庫内に水蒸気を連続して送ることで解凍する方法や、低温かつ高湿度をキープすることで素早く均一に解凍する方法や、高周波の電磁波を利用した解凍などもあります。それぞれの解凍方法によってメリットやデメリットもあるので、扱っている食材との相性なども踏まえたうえでどのような解凍方法の解凍機が適しているのかを判断してください。
衛生面
食品衛生法の改正により、2021年6月から「HACCP」という食品の安全性を高めるための衛生管理が完全義務化されています。この法改正では従業員51名以上の食品を扱う事業者や営業者がすべて対象となり、従業員は食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を理解し全行程で安全性を確保する必要があります。
そのため、衛生面に配慮した解凍機の選択が重要となります。また解凍を行う際の菌の増殖にも配慮が必要であり、その危険性を排除できる解凍方法の解凍機を選ぶことが大きなポイントでもあります。
低温で素早く解凍することで、菌の繁殖を引き起こすドリップを減らし、菌の繁殖・抑制に繋がります。ほかにも構造がシンプルで手軽に掃除ができることも衛生面を保つことにおいて重要なポイントになります。
また中には、既存コンテナを使用できる解凍機もあり、既存の自動洗浄機を使用できる物もあります。
ランニングコスト
解凍機を選ぶ際には、ランニングコストにも注意したいものです。解凍方法によっても電気代や水道代などのコストは変わってくるので、長い目で見たときのコストは徹底的に調べておくべきだといえるでしょう。たとえば手軽に解凍ができる水解凍の場合、解凍している間流し続ける水道代は大きなコストになってしまいます。
ただしエネルギー効率が高くランニングコストは抑えられても、初期の設備投資が高額になる高周波解凍機などもあるので、ランニングコストだけを見て決めてしまうと予算に合わなくなってしまうこともあるでしょう。そのため自社の運用に合っていることを前提として、ランニングコストを抑えられ、長期的に見て利益性の高い解凍機を選ぶのがおすすめです。
解凍時間
解凍時間も、解凍機選びでチェックしたいポイントのひとつです。解凍に長い時間がかかるものだと、数日後に使用する食材の量を予測して解凍を始めなければならず、予測がはずれた場合に食材のロスや不足などの問題が起きてしまうことがあります。
しかし中には、解凍時間がコントロール可能な解凍機もあります。品質を保ちながらもスピーディに解凍できる解凍機であれば、効率的に解凍を行うことができ、食材のロスや不足などのトラブルにも対応しやすくなるでしょう。
解凍時間は解凍方法によっても大きく変わるので、解凍方法と併せて確認し、適切なものを選びましょう。
管理が簡単か:操作性
管理や操作性に関しても、購入前に必ずチェックしておきましょう。とくにこれまでの解凍機とは異なるタイプや異なるメーカーの製品を導入する場合や、初めて解凍機を購入する場合、管理や操作が難しいとスムーズに導入できなかったり、研修などに多くの時間が必要になってしまったりするため無駄が生まれてしまいます。
また管理や操作が難しいと熟練度によって扱える範囲が変わってしまい、人的なコストや効率面でも課題が発生してしまう可能性があります。だからこそ、誰でも管理や操作が簡単で熟練度に左右されず扱えるような解凍機を選ぶことがおすすめです。実際にテスト機などを試しながら、操作性などをチェックしてみましょう。
要望に合わせた設計を行ってくれる企業も視野に入れよう
さまざまな種類の解凍機が発売されていますが、すべての項目で自社の希望にぴったり合うような解凍機を見つけるのは非常に難しくもあります。ただしなかには、運用の範囲や大きさなど設置場所に合わせた設計を行ってくれる企業もあります。
解凍機は長く利用するものでもあるので、無理に妥協して使いにくいものやサイズの合わないものを選ぶより、設計から依頼したほうが結果的にメリットが大きいといえるでしょう。ぜひ要望に合わせた提案ができる企業の製品も視野に入れて、解凍機選びをしてみましょう。
補助金制度を確認してみよう!
解凍機を導入する際には、「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」などの補助金制度を活用することもできます。補助金を受け取ることができれば設備投資をしやすくなりますが、申請するためにはさまざまな要件をクリアする必要もあります。詳しくは各制度の公式サイトをチェックして、必要な手続きを行ってください。
- 解凍機を選ぶ際は、解凍方法や解凍時間、管理や操作のしやすさなどをチェックしよう
- 運用の範囲や大きさなど設置場所に合わせた設計を行ってくれる企業もおすすめ
比較ポイントを押さえて、用途に合った解凍機メーカーを探しましょう!
冷凍食材を扱う現場での解凍に関するさまざまな課題や問題を解決するためには、自社の運用に適した解凍機を選ぶことが大切です。さまざまなメーカーから豊富な種類の解凍機が販売されていますが、まずは気になるメーカーにお問い合わせや資料請求などを行って比較し、用途に合った解凍機を導入しましょう。