冷凍解凍時の「ドリップ」とは?品質劣化について

公開日:2024/01/25 最終更新日:2024/02/21
冷凍解凍時の「ドリップ」とは?品質劣化について

お肉やお魚などを冷凍・解凍する際には、うすピンク色のドリップが発生します。ドリップは、旨味や栄養素が溶けだした水分なので、できるだけ発生させないようにするのが重要です。そこで本記事では、ドリップが出る原因や影響について解説します。またドリップをできるだけ出さない方法もあわせて紹介します。

ドリップの原因と影響

ドリップ量が多いと食品の味や風味が劣化するだけでなく、食中毒の原因にもなります。ここではドリップが発生する原因と影響について解説します。

ドリップとは?

食品を冷凍や解凍する際に細胞組織にダメージが加わります。組織細胞が破損したことで保水能力が失われ、解凍時に水分としてあらわれます。このときに出た水分のことを「ドリップ」といいます。

スーパーで買ったお肉から赤い汁のような液体が出ていることがありますが、これがドリップの正体です。ドリップには、タンパク質やビタミン、旨味成分が含まれているため、冷凍・解凍するときは発生しないように工夫することで品質の低下を防げます。

たとえば、業務用の急速冷凍機を使ったり、常温解凍ではなく冷蔵庫解凍したりすることでドリップ量を抑えられます。

野菜・果物のドリップが出る原因

野菜や果物は、冷凍したときに細胞内に氷結晶ができるため、細胞膜が損傷します。食品に水分を維持する能力が失われた状態になるので、解凍したときにドリップとして流れ出します。

このドリップには、野菜や果物の重要な成分であるビタミンCなどが含まれているため、食感が悪くなったり、風味が少なくなったりするので注意が必要です。また野菜の中には、ドリップがほとんど出ないものもあります。

豆類やイモ類は、デンプンが食品内にたっぷり詰まっているため、ドリップ量が少なく、冷凍・解凍しても品質の低下はあまり見られません。

魚・肉のドリップが出る原因

肉類や魚介類は、冷凍後に保存・解凍するタイミングでドリップが出ます。解凍すると食品内のタンパク質が変性するため、水分を吸収する力が低下します。吸収力が弱まったことで、解凍と同時にドリップとして流れ出る仕組みです。

そのため、ドリップ量を減らすには、タンパク質の変性を防ぐことがポイントです。方法としては冷凍前に加熱することがあげられるでしょう。冷凍前の肉や魚に熱を加えることで、タンパク質変性の原因になっている酵素を失活します。また肉類よりも魚介類の方が水分量を多く含んでいるため、ドリップが出やすいです。

ドリップが出ることによる食品への影響

ドリップには、旨味成分や栄養素が含まれているので食品への影響は大きいです。味が落ちるだけでなく、食品のハリや潤いも低下するため、見た目に関しても著しく劣化します。また食品によってドリップ量やドリップが発生する条件が違います。

たとえば、マグロやカツオであれば、釣り上げた直後から死後硬直が始まるので、解凍してもドリップが大量に出ることはありません。美味しく安全に食べるためにも、食品それぞれにあった適切な方法で、冷凍・保存・解凍する必要があります。

ドリップを飲んでも大丈夫?

食品の栄養素が含まれているドリップですが、食中毒の原因になる細菌が繫殖しているため、捨てた方がいいでしょう。しかし、ドリップがついているからといってお肉を洗う必要はなく、キッチンペーパーで水気を拭き取る程度で問題ありません。

またお肉のように加熱調理する食品であれば、細菌は熱で死滅するため危険性は少ないでしょう。ただし、生焼け状態では食中毒のリスクが高まるので、普段よりもしっかり目に焼いた方が安全です。

また鮮度の良いお肉であれば、無色または、うすピンク色のドリップが出るので、あまり気にせず調理しても問題ないでしょう。一方で、赤黒い汁が出てきている場合は、品質が悪く、腐りかけている証なので処分した方が安全です。

ドリップで食中毒の可能性がある

ドリップには、食中毒を引き起こす細菌が多量に含まれています。食中毒とは、食べ物をとおして体内に侵入した細菌やウィルスが原因で起こる症状のことです。吐き気・下痢・発熱を引き起こす可能性があり、ときには命を脅かすこともある病気です。

主な病原体としてサルモネラ菌や大腸菌、ノロウイルスなどがあります。これらは、食品の保存方法や取り扱い次第で増殖するため非常に危険です。たとえば、食品を暖房が効いた室内に放置したり、まな板や包丁をしっかり洗っていなかったりすると、細菌が体内に入るリスクが高まります。

食中毒にかかると早くで数時間、遅くても数日で症状があらわれます。吐き気や腹痛などの症状が出た場合は、すみやかに医療機関で診察してもらいましょう。

食中毒にならないための対策

食中毒にならないためには、菌やウイルスが繁殖しない環境を整えることが大切です。魚やお肉にドリップがついているのであれば、キッチンペーパーで入念に拭き取りましょう。ドリップを拭き取った際にまな板や手に細菌が付着することもあるため、忘れずに洗浄してください。

手洗い方法は、石けんを使い指先から指の間まで隅々洗ってください。また手や指だけでなく手首まで洗うのがポイントです。ほかにもお肉を焼くときに同じ箸で焼いたり、食べたりすると細菌が侵入するので、手間ではありますが箸は使い分けるようにしてください。

ドリップを防止する冷凍方法

ドリップを防止する冷凍方法を紹介していきます。また急速冷凍機の種類もあわせて見ていきましょう。

急速冷凍とは?

ドリップ量を抑えるためには、食品を急速冷凍させることが大切です。急速冷凍とは、-30℃の冷風で冷やし固めることを指します。食品が短時間で素早く冷凍されるため、食品の細胞が壊れることなく凍らせられるのが特徴です。

一般的な家庭用の冷凍庫では、-20℃前後が限界なため、凍るまでに時間がかかり味や食感を損ねる原因になります。そのため、家電量販店で売られている冷凍庫では、ドリップ量を最小限には抑えられません。

急速冷凍機を使う

急速冷凍させるためには、急速冷凍機を使うことが必須です。急速冷凍機は、-30℃で冷やす能力を持っており、最大氷結晶生成温度帯を30分以下で通過できます。食品の鮮度や品質をキープできることから、食品メーカーや飲食店などで使われています。

急速冷凍機は主に業務用として利用されており、大量の刺身やうどん、パンなどを冷凍することが可能です。鮮度をキープしたまま長期保存できるため、通販サイトで食品販売する際に用いられています。また長期保存できることにより、賞味期限を気にすることなく冷凍できます。

そのため、急速冷凍機を使うことで、本来であれば捨ててしまっていた食品を活かすことができるため、食品ロスを低減させる効果があります。

エアブラスト冷凍機

エアブラスト冷凍機は、-35~-70℃の冷気で食品を素早く冷凍できます。素早く冷凍することで、品質を損なうことなく瞬時に冷凍保存が可能です。また予冷の必要がないので、焼き立てのパンやお肉でも熱々のまま冷凍機に入れられるのも魅力です。

しかし、均一に冷風があたらないことがあるため、冷凍具合にムラが出ることがあります。また冷凍機に霜がつくと性能が低下するので、定期的なメンテナンスが必要です。

ブライン冷凍機

ブライン冷凍機は、アルコールなどの液体を冷やし、その中に食品をつけて凍らせます。液体は空気に比べ20倍の熱伝導率があるため、冷凍スピードが非常に早いです。そのため、ブリやカツオといった肉厚な魚でも、素早く品質を維持したまま冷凍できます。

しかし、食品を液体につける必要があるので、お菓子やケーキの冷凍には向いていません。冷凍スピードに優れている一方で、冷凍できる食品が限られてしまうのがデメリットです。

液化ガス冷凍機

液化ガス冷凍機は、-196℃の液化窒素と-78,5℃の液化炭酸ガスを吹き付けて凍らせる冷凍機です。超低温の液化ガスを食品に直接吹きかけるため、ブライン凍結機やエアブラスト冷凍機よりも凍結スピードが早いです。

また幅広い食品を冷凍できるので、短時間に大量生産できるのが特徴です。しかし、定期的に液化ガスの補充が必要なためランニングコストがかかります。

コンタクト冷凍機

コンタクト冷凍機は、-30~-40℃で冷却された金属板で食品を挟み、圧力を加えることで凍らせる冷凍機です。フラットタンクと呼ばれる金属板の内部に、冷却物質を流し食品を挟み込むため効率良く冷凍できます。比較的ランニングコストが低く、霜取りの必要がないのも特徴です。

解凍方法がドリップに関係する?

冷凍だけでなく、解凍方法の違いでもドリップ量に影響が出ます。ここでは、解凍方法の種類をご紹介します。

業務用解凍機

業務用解凍機は、素早くムラなく急速解凍できるため、ドリップ量を最小限に抑えられます。業務用解凍機は、一度に大量の食品を解凍できるので、飲食店やスーパーなどで使われています。冷蔵庫解凍だと1日かかる食品でも解凍機を使えば、数時間で解凍できるのが特徴です。

また食品の売れ行きによって、調整しながらその都度解凍できるので、食品ロスにもなりません。解凍の仕組みは、電磁波を用いて食品の+と-の分子を衝突させ、振動することで摩擦熱が生まれ溶けていきます。電磁波は、大きな肉の塊であっても内部まで届くので、均一にムラなく解凍できます。

電子レンジ解凍

電子レンジ解凍は、食品に熱を加え解凍するので、ワット数や解凍時間に注意が必要です。温めることで素早く解凍できる一方で、ドリップが大量に出てしまいます。また温め過ぎることで、表面が乾燥しパサパサとした食感になります。

そのため、肉類や魚介類を解凍する際は特に避けた方がいいでしょう。もし電子レンジを使うのであれば、低いワット数で様子を見ながら熱を加え、半解凍の状態で止めてください。その後は、流水解凍や氷水解凍に切り替えることでドリップ量を抑えられます。

常温解凍

常温解凍は、食品を常温で放置し解凍する方法なので菌の増殖や品質の低下に注意が必要です。凍っていた食品が、徐々に温度上昇していく過程で細菌の繫殖が進みます。冬場で10℃前後の室温であれば危険性は少ないですが、夏場だと食中毒の可能性が高まります。食中毒になると吐き気や頭痛などの症状が発症するため、常温解凍はおすすめしません。

冷蔵庫解凍

冷蔵庫解凍は、2~5℃の低温で解凍するためドリップ量をかなり抑えられます。鮮度が落ちやすい魚介類や肉類を解凍する際に重宝する方法です。味の劣化を最小限に抑えられる一方で、8~24時間ほどの解凍時間を要します。

急いで解凍したい場合は向かない方法なので、もしやるのであれば前日から冷蔵庫に入れておくと効率的です。冷蔵庫内で1~2日ほどの保存が効くので、細菌が繫殖する心配は少ないでしょう。

流水解凍

流水解凍は、常温解凍に比べ半分以下の時間で解凍できるのが特徴です。ドリップ量が少ないので、旨味成分や栄養素を保つことができます。タッパーやボウルの中に袋で密閉した食品を入れてください。その中に水を流しっぱなしにしておくと、30分ほどで解凍できます。

水道水は、冬場と夏場で10℃前後の水温差があるため、時季によって解凍時間は前後します。流水が直接食品にかかると風味や食感に影響が出るので、袋は必ず密閉した状態をキープしてください。

氷水解凍

氷水解凍は、容器の中に水と氷を入れ、袋で密閉した食品をつけ込むといった方法です。低温で冷やしながら溶かすためドリップ量は少ないです。夏場であれば室温が高く氷が溶けやすいので、その都度追加しながら解凍していきましょう。流水解凍よりも短時間で解凍できます。

ぬるま湯で解凍

ぬるま湯解凍は、35~40℃ほどのお湯で解凍する方法です。流水解凍よりも早く解凍できるのがメリットですが、その分ドリップ量は増えます。

加熱解凍

加熱解凍は、冷凍餃子などをフライパンの上で加熱しながら調理する方法です。解凍と調理を同時進行できるため、効率的に料理ができます。野菜やチャーハン、ピラフなどはサッと火をとおすだけで完成するので簡単です。しかし、加熱しすぎると食感が硬くなるので、火加減や加熱時間に注意してください。

まとめ

本記事では、食品を冷凍・解凍する際に発生するドリップについて解説してきました。ドリップには、旨味や栄養素が含まれているため、食品を美味しく食べるためにはドリップ量を抑えることが大切です。

食品工場などで使われている業務用の冷凍機や解凍機を利用することで、品質の低下を抑えられます。また電子レンジ解凍や常温解凍すると、ドリップが多量に出るのでおすすめしません。食品によっては、細菌が繫殖し食中毒になる可能性があるので注意してください。食品を美味しく安全に食べるためにも正しい冷凍・解凍方法を取り入れましょう。

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引用元:https://proton-eng.co.jp/

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引用元:https://proton-eng.co.jp/

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