食肉加工や食品づくりにおいて、冷凍された原材料を使うことは多くあります。加工前に一度解凍する際に、適切な手法を用いないとその後の加工工程や品質に問題が出てしまいます。そんなときに取り入れたい設備が、解凍機です。ここでは、解凍機を導入する際のメリットやポイントについて解説します。
解凍機を選ぶ際のポイント
解凍機を導入する際には、さまざまな機種の中から用途に応じて適切なものを選ぶことが重要です。ここでは、それぞれの解凍機にどのような違いがあるか、どのような点を重視するべきかを解説します。
解凍方式の違いを把握する
解凍方式は、大きく分けて3種類あります。
ひとつめは、低温高湿度解凍です。低温高湿度解凍では、温度を一定に保ちながら、湿度も高く設定します。
これにより、食品の部分による温度差をおさえることができるため、全体的に均一な解凍が可能です。ドリップ(解凍時に肉から出る液体)を少なくし、歩留まり(材料から実際に得られた生産数)を向上させることが可能となります。この方法は、食品加工工場でよく導入されています。
ふたつめは、スチーム解凍です。スチーム解凍では、高温の蒸気を利用して短時間で解凍ができる手法です。
食品工場や、他にもさまざまな業務をこなす必要のある飲食店などで多く利用されています。
最後に、流水解凍があります。流水解凍では、水を流しながら解凍をおこないます。
短時間で解凍できるメリットがある一方で、高コストであることや環境への影響が出るというデメリットがあります。
解凍機の温度・湿度管理のしやすさ
解凍時に肉の品質も維持したい場合、温度と湿度をしっかりと管理しなければなりません。肉の表面と内部で温度差があるとドリップの発生量が多くなるため、歩留まりが悪くなるほか、栄養や旨味成分も流れ出てしまうのです。
低温高湿度解凍機では、センサーで温度と湿度を計測し、自動調整してくれるという機能があります。人の手で計測するとなると、どうしても人ごとに差が出たり、測り忘れがあったりという事態が起こり得ます。
そのような人為的ミスを防ぐためにも、解凍機を導入するメリットがあるといえます。
衛生管理のしやすさ
また、解凍時の温度管理が徹底されていないと、菌が繁殖してしまう原因となります。適切な温度・湿度管理のもとで解凍をおこなうことで、衛生的な食品を提供可能です。
また、清掃のしやすさや抗菌仕様であるかも重要なポイントです。最新の解凍機では、機械を解体して部分ごとに清掃しやすい仕様になっているものや、ドリップが適切に排出できるような設計になっているものもあります。
運用コスト・ランニングコスト
ランニングコストを下げることも、企業にとってはたいせつなことです。解凍機を導入することで、これまで人の手でおこなっていた作業を自動化できるため、人件費の削減が見込めます。
また、電気や水などの資源を減らすこともでき、費用の削減とともに環境への配慮もできるようになります。これまでの解凍方法では、非常に長い時間がかかる傾向があったため、そのような環境下で必要となっていた休日出勤なども減らすことができるでしょう。
食品関連企業が解凍機を導入するメリット
実際に、食品関連企業が解凍機を導入することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。食肉加工業者と食品メーカーにわけて紹介します。
食肉加工業者が解凍機を導入するメリット
食肉加工業者は大量の食材を取り扱うため、短時間で多くの材料を解凍する必要があります。解凍機を利用することで、温度と湿度を適切に調整しながら解凍されるため、解凍にかかる時間を短縮できます。
それだけでなく、より高い品質を維持しながら解凍がおこなえるため、その後の加工や最終的な製品においても成分や味に差が出ることでしょう。
食品メーカーが解凍機を導入するメリット
食品メーカーでは、徹底した衛生管理が必要となります。解凍工程ではとくに菌が繁殖しやすくなっており、より注意して作業をおこなわなければなりません。
温度管理が自動でおこなわれる機能がついている解凍機を導入することで、適切な温度を保ちながら解凍がおこなわれるため、菌の繁殖をおさえることが可能です。
さらに、現在食品メーカーにおいては、HACCPによる衛生管理法が義務化されています。各工程において徹底した衛生管理が求められる中で、解凍機を導入することによりその手間も削減できます。
両者において共通するメリット
食肉加工業者、食品メーカーの両者において共通するメリットとして、ランニングコストの削減が挙げられます。人件費と資源を削減することが可能になることで、よりサステナブルな食品製造を実現します。
まとめ
解凍機の導入は、安全で安心な食を提供することに大きく貢献します。それだけでなく、手間や時間を省くことでより効率的に作業が進むようになります。ドリップを削減することで、品質の向上も見込めるでしょう。作業の効率化や資源の使用をおさえることでランニングコストを下げられるため、食品業者においてはとても大きなメリットがあります。さまざまな種類の解凍機がある中で、用途に応じて適切な解凍機を選ぶことが重要です。本記事が、解凍機の導入を検討している事業者の参考になれば幸いです。
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引用元:https://proton-eng.co.jp/
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